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「へ・イカ・ア・マウイ」

へ・イカ・ア・マウイ、マウイの魚の物語

語り部:ホエール・ウォッチ・カイコウラのトーマス・カフ(Thomas Kahu)

英雄マウイ(Maui)の偉業にまつわる数々の伝説はマオリの物語の中でも有名ですが、特に我々ナティ・クリ族(Ngati Kuri)にとって「へ・イカ・ア・マウイ(He Ika A Maui)」、マウイの魚の物話は大切なものです。

この物語の舞台はテ・ワイポウナム(Te Waiponamu: 南島)、マウイとその兄弟たちが北島を釣り上げた時に乗っていたワカ(Waka: カヌー)です。

マウイはどうしても兄弟たちと一緒に釣りに行きたいと思っていましたが、兄弟たちはマウイを連れて行かないことにしていました。そこで、マウイは釣り舟にこっそり忍び込んで、隠れていました。舟が簡単に岸に戻れないほど沖に出た頃、マウイは隠れていた場所から飛び出しました。兄弟たちはマウイの姿を見てたいそうがっかりしましたが、マウイはなんとか兄弟たちを説得し、引き返さずに釣りの旅を続けることになりました。

マウイは釣り糸の先に魔法のかかったあごの骨でできた釣り針を付けました。兄弟たちが餌を分けてくれないので、自分の血を釣り針に塗って餌にしました。マウイが釣り糸を海に投げ込むと、すぐに何かが釣り糸をものすごく強い力で引っぱりました。これは大物に違いない - かき乱れる海に恐れをなしたマウイの兄弟たちは、釣り糸を切って掛かった魚を逃がすようにマウイに頼みました。しかし、マウイはそれを聞き入れず、大物を釣り上げてみせようと、釣り糸をたぐり始めました。

釣り糸の引きがあまりにも強いので、この大きな獲物を釣り上げるには、てこの原理をうまく利用しなければなりませんでした。そこでマウイはワカ(カヌー)のへりに片足をかけて踏ん張りましたが、それでも魚の力はすさまじく、足元のワカのへりが欠けて海に落ちてしまいました。そのとき落ちたワカのへりの一部は、カイコウラ半島、テ・ファカタカハンガ・ア・マウイ(Te Whakatakahanga A Maui)になったということです。

この秘密はナティ・クリ族(Ngati Kuri)によって保持され、この海に住むコプという貝(カサガイの一種)の中で大切に守られてきました。コプはいい釣り餌になりますが、扱いには気をつけなければいけません。魚の餌にする前に、自分の指が貝の餌になるかもしれませんので。

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