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マオリ文化

 

山が動く-トンガリロ山と北島の火山群

冬の凍てつく風によって永遠に凍りついたかのように、なだらかな水平線にそびえ立つ2つの巨峰。北島のセントラル・プラトー(中央台地)にあるトンガリロ山と西海岸にあるタラナキ山は見てのとおり、石のように動かない山です。

しかし、マオリの伝承にはこうした山々が元の場所から今ある場所まで動いたという話があります。それは恋敵同士の激しい戦いの末の出来事でした。

昔、トンガリロ山は現在とそう変わらない位置にありましたが、北島中央の火山台地にそびえる、プタウアキ山、タウハラ山、タラナキ山といった山々に囲まれていました。女性の山はただ一つ、類まれな美しさを誇るピハンガ山でした。トンガリロをはじめとする山々は全てピハンガに求愛していました。ピハンガの愛を勝ち取るため、勇猛な山々は熾烈な戦いを始めたのです。

幾日かが過ぎ、山々が放った焼け石によって辺り一面は焼け野原となりました。戦いを勝ち抜いたのはトンガリロでした。他の山々を制したトンガリロは、ついにピハンガの愛情を手にしました。

戦いに敗れた山々は、一夜の時間を与えられ、台地を去ることになりました。台地は勝者トンガリロと妻ピハンガのものとなったのです。山々は朝日が昇ると同時に動く力を失い、その位置に永遠にとどまることになります。プタウアキとタウハラは東へ、タラナキは怒りと落胆を抱えながら西へと去りました。

夜が明けたとき、プタウアキはカインガロア平野の北のはずれ、ランギタイキ渓谷の中央にいました。今日でもナティ・アワ部族の人々から聖なる山としてあがめられています。タウハラは悲しみにうちひしがれ、ピハンガの方を振り返りながら去っていったので、あまり遠くまで行くことができませんでした。現在ではタウポ湖のほとりにたたずみ湖越しにピハンガをずっと見つめています。

タラナキは怒りのあまり大きな足跡を残しながら西へと進み、タスマン海を見下ろす現在の場所までやってきました。ピハンガを想って流したタラナキの涙はその足跡を流れ、現在のファンガヌイ川になったということです。



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