ニュージーランドにストーンヘンジが出現
2005年2月、首都ウエリントンの北東に位置するワイララパ地方に、ニュージーランド独自のストーンヘンジが出現しました。天文学者リチャード・ホールとフェニックス天文学協会が共同で立案した「ストーンヘンジ・アオテアロア」は、国内でも有数のワイン生産地である、カータートンとマーティンボロから数キロメートル離れた農村地帯にあります。
ストーンヘンジ・アオテアロアは、イギリスのソールズベリー平野にある4000年の歴史を持つストーンヘンジに倣い、南半球の環境に合わせて特別に設計されたものです。延べ1000時間以上が測量と天文学上の計算に費やされ、実際の建築作業には1年を要しました。ストーンヘンジ・アオテアロアには、古代ケルト人とバビロニア人が用いた天文学の知識とポリネシア人の航海技術、先住民マオリに伝わる知識が組み合わされています。
フェニックス天文学協会は、より多くの人々に天文学を身近に感じ、理解を深めてもらうことを目的にこの企画を開始しました。ストーンヘンジ・アオテアロアをとおして、自分たちの祖先やあらゆる古代文明に生きた人々が、作物の栽培や狩猟など生活に必要な季節を知るために、あるいは大洋を航海するために、どのように太陽や月、星を利用してきたかを知ることができます。今後は、一般向けに天体観測の初歩を紹介するとともに、天文学者にとっても新たな発見につながる情報源となることが期待されています。
ストーンヘンジ・アオテアロアには、オリジナルのストーンヘンジと同様に、夏至・冬至の至点と春分・秋分の昼夜平分点を明示するヒール・ストーン(高い石柱)があります。正午の太陽が一年間に描く軌跡(アナレンマ)を示す図も設けられています。
敷地内には2つの天文観測所があり、その一方には、1960~70年代にかけて国営テレビ番組で活躍し、お茶の間の星空案内人として親しまれたアマチュア天文学者、ピーター・リードが使った望遠鏡が設置されています。現在、マオリ天文学の研究を進めるために、3つめとなるマタリキ観測所の建設が進んでいます。これに対して、アメリカ海軍から、かつてブレナム近郊にあったブラック・バーチ付属天文台で使用していたドームが寄贈されました。
このプロジェクトは政府の科学技術省の援助を受けながらも、実際の建設作業の大半はボランティアによって行われました。
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