世界遺産
ユネスコの世界遺産には、急速に進む開発の手から守り、未来に伝えていくべき文化遺産や自然遺産、双方を併せ持つ複合遺産などがあります。
ニュージーランドにおいては現在、南島南西部のテ・ワヒポウナム、北島中央部のトンガリロ国立公園、そして南島と南極の間に位置する亜南極諸島の3ヶ所が世界遺産に認定されています。
テ・ワヒポウナム - ニュージーランド南西部(自然遺産)
1990年に世界遺産リストに登録されたテ・ワヒポウナムは、総面積約26,000k㎡に及ぶ広大なもので、4つの国立公園(フィヨルドランド、ウエストランド、マウント・アスパイアリング、アオラキ/マウントクック)とその周辺地域から成ります。
フィヨルドや荒々しい海岸線、切り立った崖、湖や滝など、太古から絶え間なく続く氷河の活動が形成した地形が特徴です。ニュージーランド最高峰マウント・クック(3754m)、名峰マウント・アスパイアリング(3027m)など3000m級の山々が連なるサザンアルプスや雄大な氷河などの見所が点在しています。年間を通じて降雨量が多く、全体の3分の2がブナやマキの降雨林に覆われており、中には樹齢800年以上にもなる樹木も残されています。
また、地域内には、世界で唯一の山岳性オウム「ケア」や、絶滅の危機に瀕する大型の飛べない鳥「タカへ」など、ニュージーランド固有の貴重な鳥類が生息しています。
テ・ワヒポウナムは、DOC(環境保全省)サウスランド保護局が管理しています。
トンガリロ国立公園(複合遺産)
北島の中央部に位置するトンガリロ国立公園(795k㎡)は、1894年に設定されたニュージーランド初の国立公園です。これはアメリカのイエローストーン国立公園に次いで世界でも4番目の古い歴史をもつ国立公園です。
1990年には自然遺産として世界遺産に登録されましたが、その3年後には、文化的景観を有する文化遺産として初の世界遺産となりました。
文化的景観とは、世界遺産委員会がその前年に新設したカテゴリーで、自然環境と人間の営みが長い時間をかけてつくりだした景観を対象とするものです。ルアペフ(2797m)、トンガリロ(1967m)、ナウルホエ(2290m)の3つの活火山は、先住民マオリにとって部族と自然環境を結ぶ精神的な絆の象徴として文化・宗教面で重要な存在でした。このように聖なる地であることと、保護を条件としてマオリの首長から寄贈された歴史的背景から、文化的景観に値するとユネスコに認められたのです。
トンガリロ国立公園には、草原や森林、静かに水を湛える湖、砂漠のように荒涼とした台地、活火山など、変化に富む多様な自然環境が混在しています。
亜南極諸島(自然遺産)
1998年に自然遺産として登録されたニュージーランドの亜南極諸島とは、ニュージーランド南東部の南極海海域に点在するオークランド諸島、スネアズ諸島、キャンベル島、バウンティ諸島、アンティポディーズ諸島の島々を指します。一番近いスネアズ諸島でも南島南端から209Km、一番遠いアンティポディーズ諸島にいたっては820kmも離れています。
世界でもこの地域でしかみられない鳥や植物、軟体動物など、固有種の生物が数多く生息しています。特に海鳥やペンギンの営巣地として知られ、種類、個体数ともに豊富です。亜南極諸島で確認されている126種の鳥類のうち40種が海鳥で、5種はこの地域のみに生息する固有種です。
新たな世界遺産
現在、アオラキ/マウントクック周辺の空が新たな世界遺産として検討されています。正式に決定すれば、世界で初めて星空がリストに登録されることになります。
環境保全省(DOC)は今後の世界遺産の候補として、暫定リストに以下のような項目をあげています。
- カフランギ国立公園 / フェアウェル・スピット / ワイコロププ・スプリングス / カナーンのカルスト地形
- テ・ワヒポウナムにフィヨルドランドの海(テ・モアナ・オ・アタフェヌア、全水域と海底を含む)を追加
- アールデコ様式の集まるネーピアの歴史地区
- ケリケリの歴史地区
- ワイタンギの歴史地区
- カーマデック諸島と近隣の海洋公園
- オークランドの火山群
- ファカルア・モウテレ(プアーナイツ諸島を含む北島北東部の島々)
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