世界で一番長い砂嘴、世界遺産登録の可能性
2007年5月29日
ニュージーランド南島北端にあるフェアウェル・スピットは、そのユニークな自然環境により、ユネスコの世界遺産登録の暫定リストに名前が掲載されています。
フェアウェル・スピットは、クック海峡に突き出した全長35kmを超える砂嘴です。この地はマオリ語で「堆積した砂」を意味するオネタフアと呼ばれています。
この砂嘴はシギやチドリなど渉禽類の生息地としても重要な保護区となっています。またニュージーランドに3ヶ所しかない、世界的にも貴重とされる湿原のひとつに数えられています。
フェアウェル・スピットは、ネルソン近くのコリングウッドの町から2時間ほどのところに位置しています。1930年に鳥類保護区に指定されたこの砂嘴一帯には、90種を超える鳥類が生息しています。黒鳥をはじめ、オーストラリアシロカツオドリ、オニアジサシ、ミナミオオセグロカモメ、アカハシギンカモメやミヤコドリなどの鳥類を観察することができます。これらの渡り鳥は、毎年北半球が秋になると12,000kmを旅してニュージーランドへ飛来し、この地で夏を過ごします。
フェアウェル・スピット近郊には、マハラウからトタラヌイを抜けるアベル・タスマン・コースタル・トラックに代表される様々なウォーキングコースがあります。アオレレ渓谷を通るアオレレ・トレイルや、その先につながっている有名なヒーフィー・トラック、砂嘴の根元部分にはファンガレイ・インレットと美しいカイホカ・レイクスを囲むように西海岸へ抜けるファンガレイ・トレイルがあります。古代より先住民マオリが定住していたこの地域を歩けば、17世紀最初に訪れたヨーロッパ人アベル・タスマンとマオリとの歴史にも触れることができます。
フェアウェル・スピットの先端にある灯台は洋上を行き交う船のよい目印となっています。この灯台を訪れれば、当時灯台守の家族が送っていた寂しい生活を垣間見ることができます。最初に建てられた木製にかわって、1897年以来、鉄製の灯台が活躍しています。
地元ガイドのパディ・グルーリー氏は、コリングウッド発の四輪駆動車による「フェアウェル・スピット・サファリ」ツアーを最初に開発したことで知られています。グルーリー氏の祖先は、ゴールドラッシュに沸いた1857年にアイルランドからこの地に移住してきました。このツアーは、1946年に彼の家族が始めた、灯台守への手紙の配達が元になっています。同氏運営のフェアウェル・スピット・エコ・ツアーズ社のツアーに参加すれば、鳥の生息地を観察したり、地形や歴史の案内を聞きながら、灯台のあるところまで行くことができます。
この地域の自然を保護するために、環境保全省ではフェアウェル・スピット・エコ・ツアーズ社とフェアウェル・スピット・エクスペリエンス社の2社にのみツアー催行を許可しています。
|