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エコを体感、ニュージーランドの旅【TOPページ】
フィヨルドの海を訪ね、山を歩く【フィヨルドランド】
南島南西部に広がるフィヨルドランドは、ニュージーランド最大の国立公園だ。海や山が風光明媚であることは言うまでもないが、この国に三つある世界遺産の重要な一角を担っている地域だけに、自然の環境を守ろうとする様々な試みや活動がある。そうした目線ももちながらフィヨルドの海を訪ね、山を歩いてみた。
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フィヨルドランドの地図
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フィヨルドというのは「峡湾」と訳される。氷河が何万年もかけて山の沢をゆっくり滑り下り、山肌を削りながら深い峡谷をつくりあげる。ここで終われば「氷食谷」にとどまるが、そっくり海に沈降して、フィヨルド(峡湾)になった。南島の南西部では、それが一つや二つではない。タスマン海側にたくさんの入江(サウンド)をなし、手付かずの自然のまま独特の景観を生み出している。
中でもミルフォード・サウンドが訪ねやすい。クィーンズタウンからいくつかのツアー会社が日帰りや宿泊つきのコースを用意している。私が参加したのは午前7 時半にバスで出発する日帰りツアーだった。途中、いくつかの景観地に寄り、カフェで休憩する時間もある。
運転手はトレイシーさんという女性。ただハンドル を握るだけでなく、沿道の景色や町について実に様々なガイドもしてくれる。 湖面が上下する湖について「湖底で巨人が呼吸をしているから」というマオリ伝説を話しながら珍しい自然の摂理を説き明かす。ある町を通過するときは、ゴールドラッシュにからんだ歴史……。地図と照らし合わせながら聞いていると、楽しく勉強ができてしまう。
ニュージーランドの見所のひとつ、ダウトフル・サウンドを水面から眺めます。
夏のミルフォード・サウンドの風景。マイター・ピークが主役を務めています。
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フィヨルドランド
フィヨルドランド
フィヨルドランドの迫力に満ちた風景には、この地を訪れる誰もが圧倒されます。
©: Gilbert van Reenen
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両側に山々がそびえ立つエグリントン・バレーは、写真撮影に絶好の場所です。
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テ・アナウ湖、フィヨルドへの玄関口
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午後1時すぎ、ミルフォード・サウンドの乗船場に着いた。午後1時半に出るクルーズ船に乗り継ぐ。この日は「ミルフォード・ワンダラー」という船だった。50年以上の歴史があるリアル・ジャーニーズ社が運航し、この会社はどの船にせよ船体を洗うとき化学洗剤を使わず、高圧の水を吹きつける方法で汚れを落としてい る。ピクニック・ランチという予約制弁当の容器は、自然に分解して土に還る素材が使われている。クルーズ船は、主に景観を楽しむ船と、生きものや植物など自然観察をする船と2通りある。私は後者の船に乗った。
船が滝に大接近
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出航すると、この日のガイド、スチュワートさんの説明が始まった。「ここではオットセイやペンギンが見られます。夏はときどき、クジラです。タスマン海から湾内に入ってくるオキアミを追ってくるのです」。 「この一帯は、2万年から2万2000年ぐらい前まで氷河がありました。谷をゆっくりと下ったのですが、日によっては、1日で7.5メートルも動くというハイスピードのときもありました」。ダニーデン生まれ。ガイドになって、3年だという。「美しい景色にほれたから。たくさんの人が来て、幸せな気持ちになるのを見るのも好きなんだ。来るたびに海の色や岩の形が違う。ペンギンがいたり、いなかったり。非常に楽しい仕事だよ。
ミルフォード・トラック
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翌日は、ミルフォードの山歩きをした。ミルフォード・サウンドからクィーンズタウンまで戻らずに、途中の町テ・アナウでバスを降りた。ここで1泊すると、ミルフォード・トラックを日帰りで歩くツアーに参加できる。翌朝、ツアーはバスと船を乗り継いで午前11時半、ミルフォード・トラックの出発点に着いた。
この日、参加したのは11人。木立の中を歩き始めた。尾羽が扇子のような鳥が現れた。ファンテイルだ。みんなの足元を飛び回って離れない。人が歩くことで地面の草の間から飛び出す虫を食べるのだ。別名「散歩の友」という。
10ドル札のブルーダック
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鳥といえば、ミルフォードで話題になる鳥が二種類ある。一つはタカヘ。キーウィと同様、飛べない鳥で、いったん絶滅したと思われたが、1948年、テ・アナウ近くの山中でひっそり生き延びているグループが見つかった。各地に少しずつ移され、増殖が図られている。
もう一つの鳥はブルーダック。名前の通り青い色のあひるで、タカヘ同様、絶滅のおそれがあるニュージーランドの固有種だ。水のきれいなところにしか生息せず、ミルフォードの高山などでわずかに見られる。「10ドル札にも印刷されていますよ」と、この日、ミルフォードトラックのガイドをするジュリアさんが教えてくれた。「イタチなど捕食動物にワナを仕掛けるボランティア活動があって、私も休日に参加しています」という。
翌朝、テ・アナウにあるDOCの事務所を訪ねたら、ベス・マッサー保護官が一帯の保護活動をいろいろ教えてくれた。たとえば、ミルフォードのクルーズ船に乗るのにDOCのネット経由でチケット(40ドル)を購入すると、代金のうち10ドルがブルーダックの保護費用に回る。運航するリアル・ジャーニーズ社が負担するのだが、同社にすれば売買の人件費を減らせるなど利点もある。ベス保護官は「絶滅のおそれがある鳥の移送費を負担してくれるワイナリーや、タカヘの保護費を寄付してくれるホームセンターもあり、協賛活動は地域をあげて広がっています」と解説してくれた。
筆者の独り言
設備の一部とブライアンさん
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ミルフォードのクルージングと山歩きに私が参加したのは、リアル・ジャーニーズ社のツアーだった。1954年以来の歴史があり、環境保護と観光事業の両立を目指す人たちが多い会社だからだ。テ・アナウの整備工場を訪ねると、床暖房の燃料は廃油だった。ツアーの船やバスに使ったエンジンオイルを再利用しており、その設備を整えるのに200万円前後かけたという。
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