多様な音楽が生まれたニュージーランド
マオリや南太平洋諸国の他、ヨーロッパやアジアなど活気溢れる多様な文化がうまく融合したニュージーランドでは、音楽にもそれらの影響が色濃く見られます。先住民マオリの伝統的な音は、さまざまなジャンルの音楽で耳にするでしょう。英国の植民地であったことから、ヨーロッパや米国の音楽も流入してきました。国が発展するにつれ、ニュージーランドのアーティストも、伝統的な音楽と世界中で聞かれる多様な音楽を組み合わせ、独自のスタイルを作り出してきたのです。
現代音楽
世界ツアーを行うクラウディッド・ハウスのニール・フィンは、恐らく世界的にも良く知られているミュージシャンでしょう。他にもダットサンズ、ブルック・フレーザー、ホリー・スミスなどが主要レコード会社と契約し、世界を目指して活動中です。R&B、ソウル、ラップ、レゲエとポリネシアンスタイルの音楽を取り入れた男性グループ、ニージャン・ミスティックは日本でアルバムデビューを果たしています。 テレビドラマ『白い巨塔』の主題歌を歌い、日本でも来日公演を行った ニュージーランドの歌姫、ヘイリー・ウエステンラはまだ若干20歳ですが、世界を舞台に活躍しています。クライストチャーチで歌を披露していたときにその才能を見出され、それ以後はスターダムを一気に駆け上りました。現在までに、米国大統領や英国のエリザベス女王をはじめ、世界の要人や著名人の前で歌声を披露した輝かしい経歴をもっています。世界に向けた初のアルバム「ピュア」は200万枚以上の売り上げを記録し、英国ではチャートの1位を獲得しました。「ピュア」の成功により、ジャンルを問わず、ヘイリーはニュージーランドで最も売り上げの多いアーティストとなりました。
マオリ音楽
人気のポピュラー音楽でマオリの伝統的な音楽が取り入れられるようになり、国内はもとより、近年は海外にまでその影響を与えています。モアナ・マニアポトと彼女が率いるザ・トライブは、アコースティックなマオリ音楽を奏でるグループとして広く知られるようになりました。ハーブス、キャッチアファイヤー、ファット・フレディーズ・ドロップのようなバンドは、レゲエ、ロックンロールやその他のジャンルの音楽をマオリ音楽と融合させています。伝統的なマオリの楽器(タオンガ・プオロ)は、国を代表する解説者のひとり、チャード・ヌンズの尽力により復活の兆しをみせています。日本でも発売された、ヒネウェヒ・モヒのアルバム「オセアニア」は、これら伝統楽器を使用した独特の音楽が話題を呼びました。 魅惑的でどこか耳に残るこれら楽器の音は、映画のサウンドトラックなど、さまざまな音楽にも使われています。
クラシック音楽
ニュージーランドを代表するオペラ歌手、キリ・テ・カナワとマルヴィナ・メイジャーは世界最高のソプラノとして、その名声を得ています。
1944年ギズボーン生まれのキリ・テ・カナワは、マオリとヨーロッパの血を引いていますが、誕生と同時に、アイルランド人とマオリ人の夫婦に引き取られ、養子として育てられました。世界にその名を知られるようになったのは、世界中でおよそ600万人が見守る中、英国王室チャールズ皇太子とダイアナ元妃の結婚式で、ヘンデル作曲「輝けるセラフたちを」を歌い、素晴らしい歌声を披露したからです。
1943年ハミルトン生まれのマルヴィナ・メイジャーは、音楽一家に生まれ育ちました。すでに子供時代からいくつものコンサートで、カントリーやポピュラー音楽、映画や番組に登場する歌を歌っていました。最初にクラシックの勉強を始めたのは1955年になってからです。セント・メアリーズ音楽学校のシスター、メアリー・レオを含む、多くのシスターから指導を受け、みるみるうちに頭角を現していきました。メアリー・レオは、後にキリ・テ・カナワを指導したことで知られています。国内はもちろん、オーストラリアや英国の名誉ある賞をいくつも受賞した実績があります。 エジプトのピラミッドを背景にした屋外コンサートなど、現地語で歌う30もの役をこなしたこともあります。
バスバリトンのジョナサン・レマル、テノールのサイモン・オニールなど、若手のオペラ歌手も活躍の場を広げています。
地域に根ざした音楽
ニュージーランドには各地域に根ざした音楽もあります。ウエリントンでは「ジャズ」、オークランドではリズムのあるポリネシアやマオリに影響を受けた音楽が知られています。ガレージ・ロックと呼ばれる音楽で有名なのは、南島のダニーデンです。1978年にはダニーデンならではのサウンドとして、ザ・エナミー&ザ・クリーン、ザ・チルズ、ヴァーレインズ、スニーキー・フィーリングスといったバンドが活躍しました。パンクやヘビーメタルの影響を受けたグランジ・ロックとは若干異なり、ガレージ・ロックは、シンプルなギターサウンドと録音された場所によって区別されています。60年代のように、録音に予算をかけない、音質的にも昔のままに近いローファイ・サウンドが特徴です。
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