テ・オーレレ号に乗り古来の航海術を学ぶ
はるか昔、先住民のマオリは、クック諸島などの集まるポリネシア中央部からカヌーに乗ってニュージーランドへやって来ました。一番初めに一艘のカヌーでやって来た伝説の航海者クペは、今から1000年ほど前に、3000キロにも及ぶ大航海ののちにたどり着いたと伝えられています。クペは、島にかかる雲を発見し、島の名を「アオテアロア(長く白い雲のたなびく地)」と名づけ、故郷の島にニュージーランドの存在を伝えたと言われています。
伝統的な航海用の双胴カヌー「テ・オーレレ号」は、彫刻の達人であり、古来の航海術を復活させたヘクター(ヘケヌクマイ・ナ・イウィ)・バスビーの手によって、1992年に造られたものです。船体には北島に巨木の残る固有種カウリの木が使われ、ポリネシアに伝わる航海用カヌーの様式を参考にして造られました。ヘクターは、南十字星を中心とした南半球でのスターナビゲーションの基礎を生み出したことで知られています。彼は、マオリの祖先が偶然漂着したり風に流されて辿り着いたのではなく、星をたよりにした優れた航海術によって島々を往来していたことを実証したいと、テ・オーレレ号に寄せる思いを述べています。
テ・オーレレ号の処女航海は、1992年のニュージーランド-ラロトンガ(クック諸島)往復でした。その後、近代計器を使わない伝統航海によってハワイ、タヒチのマルケサス諸島やライアテア島、クック諸島のラロトンガ、ニューカレドニアなど太平洋で27,000キロ以上もの航海を達成しています。テ・オーレレ号はその航海中に、マオリの祖先がニュージーランドにたどり着くまでの驚くべき航海の物語を、昔からの方法と同じ口頭伝承で広めています。航海を始めて10年、このようにテ・オーレレ号は、マオリの歴史と古来の航海術を伝える船として大きな役割を果たしています。
ナビゲーター・ツアーズでは、テ・オーレレ号に乗ってハウラキ湾をめぐる3日間のアドベンチャー「クペズ・ストーリー(クペの物語)」というツアーを実施しています。はるか昔を生きた人々が近代的な道具や機材もなく、どのようにしてニュージーランドへたどり着いたか、ということを楽しみながら理解できるようになっています。星を目印に航海を成功へと導いたクペの航海術など、興味深い伝説を交えながら、マオリ人のスキッパー(船長)と船員たちが説明や実演をしてくれます。船上泊が目玉のひとつである「クペズ・ストーリー」では、操縦の手伝いをしたり、ハカ(戦闘の踊り)やワイアタ(歌)を教わったり、マオリに伝わる食べ物を味わうこともできます。
ポリネシアの航海文化とマオリ文化の復興のために造られたテ・オーレレ号は、将来ノースランド地方にオープン予定のクペ・ワカ・センターに展示される予定です。
より詳しい情報:
ジョン・パノホ(John Panoho)
Eメール john@navigatortours.co.nz
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