絶滅危惧種の個体数回復に朗報
絶滅の恐れのある固有種の一種、ノドグロチドリは、ウエリントン西海岸のマナ島に放鳥してからほんの数ヶ月で繁殖し、保護担当のスタッフを驚かせました。
マオリ名ではトゥトゥルアトゥと呼ばれるノドグロチドリは、ニュージーランドの沿岸沿いにのみ生息する、小型でずんぐりとした体型のチドリ科の鳥です。通常は2歳まで繁殖活動をすることはありませんが、今回の個体数回復プログラムでは1歳になる前に、幹の下にできたくぼみに2つの卵を産みました。
今回繁殖に成功したのは2007年3月から5月の間にマナ島に移された41羽の幼鳥のうちの2羽です。放鳥されたノドグロチドリの群れは、鳥類学会とマナ島友の会のメンバーによって観察されています。
11月から2月にかけての繁殖シーズンの間、ノドグロチドリのつがいは巣のある狭い範囲のテリトリーを守ります。巣は石や木々の陰にひっそりと作られ、雄雌ともに2個から3個の卵を温めます。繁殖シーズンを除いて、群れは一緒に行動しますが、渡り鳥のように場所を移動することはありません。
マナ島を担当する環境保全省のスタッフ、スー・コールドウェル氏は、12月につがいがテリトリーを守る行動に出ていたことに気づきました。鳥類学者が観察を続けましたが、風雨の強いコンディションの中で巣を発見することができませんでした。同氏が3日後に戻ったときにはすでに2個の卵が産み落とされていたのです。
「時期の早い繁殖は、マナ島が人間や捕食動物によって生命が脅かされる本土よりも生息地として適していたことを示す朗報といえます。これから個体数の増加が見込めるでしょう」と同氏は語っています。
自然保護プロジェクト
小型のノドグロチドリは1800年代中頃にはニュージーランド全国に分布していましたが、外来の捕食動物の流入とともに本土では絶滅し、チャタム諸島のランガティラ島の130羽を残すのみとなってしまいました。現在は10羽のつがいを捕獲し、主にワイララパ北部にあるプカハ/マウント・ブルース国立野生動物保護区で人工繁殖が行われています。飛べるようになった幼鳥は捕食動物のいない離島に放鳥されます。
ハウラキ湾に浮かぶモトゥオラ島では、1994年の8羽を初めに、現在まで50羽を超える幼鳥が放たれています。同島ではノドグロチドリが島に留まらず、近隣の島にある海岸や入り江に分散してしまうという問題が起こっています。島内で繁殖するように、つがい1組を囲い、鳴き声で仲間を呼び寄せる実験が行われています。さらに、放鳥する幼鳥の月齢やタイミング、人工飼育の期間など、さまざまな条件を考慮した試みが進められています。
マナ鳥に放たれたノドグロチドリには識別リングが付けられています。長距離も飛べるので、このリングのついたノドグロチドリが本土のティタヒ湾やペトーネ・ビーチ、遠くはブレナムやマナワツ・バレーでも確認されています。そのうちの1羽は300キロも離れた古巣のプカハ/マウント・ブルース国立野生動物保護区まで戻りました。
捕獲されている飼育中の数も含め、現在の個体数は約200羽と推定されています。
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