ヒラリー卿の遺灰、海に還る
2008年3月3日
ニュージーランド史上最大の偉人として国民に親しまれてきたエドモンド・ヒラリー卿が永遠の安息の場に辿り着きました。
ヒラリー卿の遺灰は、家族やごく親しい友人、そしてヘレン・クラーク首相が見守る中で、オークランドのハウラキ湾に撒かれました。1953年に初のエベレスト登頂を達成した人物として世界の有名人になったヒラリー卿は、北極や南極の探検でも活躍しました。
「サー・エド」の愛称で広く国民に親しまれ、1月11日に88才で世を去った彼のために、オークランドで国葬が行われました。数多くの偉業を成し遂げながらも謙虚な姿勢を忘れなかったヒラリー卿に対して、世界中から賛辞が寄せられました。エベレスト登頂後、ヒマラヤ基金を設立し、ネパールのシェルパ族の人々のために生涯尽くしたこともよく知られています。
オークランドの海に灰を撒いてほしいというヒラリー卿の願いは、1999年の自著『View from the Summit』に次のように記されていました。
「自分の遺灰はオークランドのハウラキ湾に撒いてもらいたいと思っている。灰になってあの美しい海の穏やかな波に乗り、生まれ故郷近くの浜にそっと打ち寄せられる。そんな風に一生を完結することができたなら、本望だ」
また、彼は遺書の文中で、ヒマラヤ支援を続けて行くよう、ニュージーランドの人々に真摯な呼びかけを綴っています。
「もしも(中略)母国の名声に私が何らかの貢献をしたと感じている人がニュージーランドにいるのなら、私とともに力を合わせてきたヒマラヤの人々のために、ささやかな支援を継続していくという方法で、その気持ちを行動にしてもらいたい」
ヒラリー卿の最後の旅立ちの式典は、スピリット・オブ・アドベンチャー号の船上でしめやかに行われました。この船は毎年青少年の育成プログラムに使われているもので、何百人というニュージーランドの若者がセイリングを通してリーダーシップと自立心、社会性について学んでいます。
ヒラリー卿の家族を乗せたスピリット・オブ・アドベンチャー号は、私服の訓練生たちに敬礼で見守られて航行しました。それは謙虚な英雄にふさわしい光景でした。
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