地方

メディア業界用サイトのメールマガジンのご登録はこちら

  1. 登録されたEメールアドレスを第三者に提供したり、配信以外の目的で使用することはありません。
bottom

トピックス

映画

 

緑地再生めざす住民の地道な努力

2008年4月2日

ニュージーランド最北端のケープ・レインガで、 大規模な緑地再生活動が進められています。環境保全省(DOC)がチームを組み、本来の自然環境を取り戻すために種をひとつひとつ人の手で拾っています。この活動はケープ・レインガの観光施設の改善プロジェクトの一環で、駐車場と環境に優しいトイレ、遊歩道の整備と並行して行われています。緑地再生活動は2010年まで続く見込みです。

また、同プロジェクトと同時に、国道1号線最北端の19km区間の舗装工事も予定されています。種拾いのチームのリーダーを務めるテ・ハプアのマアカ夫妻によると、DOCのプロジェクトのために17万5000個、トランジット・ニュージーランドによる道路整備のために12万個の種を集めるということです。

母なる自然とともに
種拾いは急な斜面を這ったり、腰をかがめたりと、自然の地形や天候に従って進められる地道な作業です。

ナティ・クリ族とテ・ララワ族の子孫であるトニー・マアカさんは、「計画を立てても、次の日には変更せざるを得ない、ということはよくあります。人間の計画通りにはいかず、その日の成果はそこにある種が決めるのです」と語っています。トニーさんはじめほとんどのメンバーが、活動を始めてから、写真を撮ったり本と照らし合わせたりして、ほぼ独学で原産種の植物やガーデニングに関する知識を身につけました。

昨年の夏、計画に取り入れるべき植物を特定することから始まり、時期を狙って種を採集し、どこでどれだけ集めたかを記録してきました。「フラックスは種の鞘が大きいので、簡単に集められます。ヘーベやカヌカはほこりとまちがえそうなほど種が小さいので大変」だということです。種の回収だけで何週間も要する、手間のかかる作業なのです。

採集された種はマアカさんの自宅の小屋に持ち帰り、いったん乾かしてからふるいにかけ、洗浄します。洗うのも細かな作業ですが、早く乾かせるようにキッチンのテーブルにも種を広げているため、一家はキッチンのカウンターで食事をしているそうです。

自然をよみがえらせる
種集めが最も忙しいのは1月から4月にかけてです。きれいに洗った種は発芽させるためにテ・マナワ・オ・ナティ・クリのナタキ養苗園に運びます。基礎工事の際に土砂から回収したフラックスの種は2000個を超えていますが、整地が終わったらすべて本来の場所に戻されることになっています。

冬になる前にある程度の苗に育てておけるように、チームは天候の良い時期になるべく多くの種を集めることを目標としてきました。現在、主要原産種とされた17種の植物を中心に、8万以上の種が発芽して育っているということです。

テ・レレンガ・ワイルア(レインガ岬)とテ・パキ地区には、他の地域では見られない種類の植物が多数あり、国際的にも注目を集めるほどのユニークな環境に恵まれています。特に、原産種のランやバートレッツ・ラタというポフツカワの一種は希少です。

養苗園のマネージャー、ウェイン・ペテラさんは、「現在自然の状態で生育しているバートレッツ・ラタは、レイダーズ・ブッシュとウヌファオ・フォレストの2ヶ所で計31株を数えるのみです」と述べています。今回のプロジェクトで既に35株が加わることがわかっており、個体数は確実に増えると期待されています。マオリの人々にとって聖なる地であるテ・レレンガ・ワイルアには、プロジェクト完了までに50万株の苗が戻されるということです。

「丸裸で空虚な印象の岬は、このプロジェクトで緑豊かで活気のある場所になるでしょう」「より自然な環境の回復に貢献しているという充実感があります。これからもできることを続けて行きたい」とウェインさんは話しています。


ケープ・レインガについて:

・ケープ・レインガは、マオリの伝統文化では聖なる地として位置づけられています。タスマン海と太平洋のぶつかりあう海を見下ろす急斜面に、強風にさらされながら立っている1本のポフツカワの木があります。

・ポフツカワの木は「旅立ちの場所」と呼ばれています。マオリの伝説によると、死んだ人の魂はこの木から海に向かって飛び込み、少し先の島に上がって一度住み慣れた場所を振り返ってから、海底をつたって先祖の故郷、ハワイキへ行くと言われています。

・テ・レレンガ・ワイルア(ケープ・レインガ)は年間14万人が国内外から訪れる、ニュージーランドでも有数の観光地です。

・2007年9月より、環境保全省は観光施設の改善プロジェクトを、交通局(トランジット・ニュージーランド)は国道1号線のワイティキ・ランディングからテ・レレンガ・ワイルアまでの19km区間の舗装工事を始めています。2010年にすべての作業が完了する予定です。


こちらの関連トピックスもご覧ください

 

 


ケープ・レインガの緑地再生活動のため種を集めるマアカ夫妻
 

一時的にケープ・レインガから養苗園にうつされた2000本の麻に囲まれた場所に立つ養苗園のマネージャー、ウェイン・ペテラさん。苗は養苗園の作業が終了した後元の場所に戻されます。
 


ケープ・レインガのポフツカワの木はマオリの伝説によると「旅立ちの場所」と呼ばれ、特別な地とされています。