クモヒトデの海中都市を発見
2008年5月27日
ニュージーランドの南海域で、大量のクモヒトデが群生している「海中都市」が発見されました。
今回確認された場所は、ニュージーランドの南側に伸びるマコーレー海嶺(全長1400km)の一部で、水深90mに位置する海底火山の頂上付近です。このほどオスロで行われた生物多様性に関する会議で国立水圏大気圏研究所(NIWA)が発表しました。
研究チームは潜水ロボットを使って山頂付近の様子を撮影しました。ウニやナマコ、ウミユリに混じって、無数のクモヒトデが密集している様子が映像に記録されたのです。
付近の海流は時速約4kmと比較的速く、クモヒトデは腕をあげるだけで流れてくる餌を捕食することができます。また、クモヒトデを狙おうとする魚を海流が押し流すこともあるので、恵まれた環境であると言えます。
海洋調査について 今回NIWAでは研究調査船タンガロア号で1ヶ月に及ぶマコーリー海嶺の調査を行いました。なかでもクモヒトデの海中都市の発見はハイライトとも言える成果でした。
研究員が撮影した写真では1㎡あたり数百もの茶褐色のクモヒトデが群生しており、平坦な形状をした広大な山頂部(約100㎢)には文字通り何百万という個体が生息すると考えられます。
「マコーレー海嶺にこれほどのクモヒトデが密集している群生地があったことに、研究員はみな沸き立っています」と語るのはNIWAのエコロジスト、アシュリー・ローデン氏です。
「単一種の生物の群生例として素晴らしいだけでなく、海嶺上というユニークな環境との相関性を理解する上で非常に示唆に富む発見であったと言えます」
新種や希少種も
今回調査船に同乗した8名の研究員によると、採集された個体のうちいくつかはこの海域でこれまでに確認されたことのない種類のものであり、新種が発見される可能性もあるということです。
岩陰には深海性のテンジクダイの仲間も多数生息していました。海嶺の斜面にできた岩陰では、エネルギーの消費を抑えながら餌を確保できるからではないかと考えられています。
また、数百年ものと思われる高さ2mのバブルガム・コーラル(八放サンゴの仲間)があり、その付近にはタラがいました。巨大なサンゴの影で海流の影響を避けるだけでなく、サンゴに近づくことで何らかの利益を得ているものと推測されています。
ローデン氏によると、このような構成の集団が観察できたのは初めてです。
「深海の生物多様性に関する理解を深め、いかにそれを守っていくかを考える上で大変参考になる事例です」
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