キーウィのピーウィ、安らかに
2010年1月7日
ニュージーランドのクライストチャーチに舞い降りた「クリスマスの奇跡」が孵化から3週間、スタッフの手厚い看護を受けていましたが、残念なことにお別れの日がやってきてしまいました。
オラナ野生動物公園の新顔となったキーウィのピーウィは、殻の破損した卵から奇跡的に誕生した小さなヒナでした。
スタッフの努力の甲斐あって、人工孵化には成功しましたが、複数の病症を抱えていることが判明し、生後に大掛かりな手術が行われました。
一番小さな最新メンバー
オラナ野生動物公園でキーウィのヒナが誕生したのは、ほぼ10年ぶり。記録に残る限りでは、同施設で保護されたキーウィでは最小とのことです。
固有種飼育部長のタラ・アトキンソン氏は、皆で大切にしてきただけに、ヒナの死にスタッフはショックを受けていると述べています。
「小さなヒナの生命力に、こちらが励まされる思いでした。何とか生きようとがんばってくれましたが、問題はあまりにも大きすぎたのでしょう」
前途多難なスタート
体重227gのピーウィの誕生は、困難を極めました。熱意あるスタッフができる限り手を尽くしましたが、それでも問題は山積していました。
「例えば、孵卵器に入れようとした際、殻の数ヶ所に穴があいていたことがわかりました。そこで、透明のマニキュアを使って穴を塞いだのですが、その後の生育状態が芳しくなかったので、すでに何らかの病原体が内部に侵入していたのかもしれません」
「後に卵の中で気泡との間にある膜を破る段階に入った時、数ミリ狙いがずれてうまくいかなかったため、スタッフが小さな穴をあけてやりました。また、卵のてっぺんからではなく、側面から出てこようとするなど、孵化の動作も通常とは異なりました。一般的に、自力で膜を破って気泡から呼吸することができないヒナはそのまま死んでしまいます」
人間の介助
ピーウィの孵化は7日がかりでした。最終的にはなかなかとれなかった殻を人間の手で除去し、外に出してやったということです。
オラナのスタッフにとっては初めてのキーウィの孵化だったため、ロトルアで人工飼育を行っているキーウィ・エンカウンターの専門家から電話でアドバイスを受けながら作業が進められました。
孵化は完了しましたが、卵黄の一部が突出した状態で生まれたため、筋肉が硬化しないうちにマッサージを施して小さなお腹に収めてやらなければなりませんでした。この作業の制限時間はほんの数分だったということです。
やがてヒナは水を飲んだり餌を食べたりするようになり、順調に育つ期待が高まりました。
添え木で足を補強するなどの対策もとられましたが、消化できなかった卵黄嚢40gを除去するため、生後2週間にして大手術が行われることになりました。
「通常、生後2週間のキーウィの体重は約300gありますが、このヒナの体重は171gでした。にもかかわらず、手術の翌朝、ヒナは驚くほど元気で、生きる意欲にあふれていました」
低体重
手術後、ピーウィの体重は激減し、99gになりました。
スタッフはレインボー・スプリングスの専門家と常時連絡をとりながら、毎日4回の給餌を続け、1月3日土曜日の朝には初めての体重増加(2g増の101g)を記録しました。
「ところが残念な事に、その日の午後にヒナは息絶えてしまいました。現在は解剖の結果を待っている状態です」
「この奇跡のヒナは私たちに多くを教えてくれました。キーウィの飼育管理に関して言えば、この数週間でスタッフ全員が学んだことは以前の予備知識をはるかに上回るものでした。悲しい結果になってしまったけれど、可能な限り手を尽くしたと思っています」
ピーウィは2006年にオラナにやってきたノースアイランド・ブラウン・キーウィのリリとディアハートの間に生まれました。
関連情報:
Christmas miracle kiwi chick(英語)
Iconic New Zealand native birds(英語)
ニュージーランドの野鳥保護活動
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