ラグビー・ワールドカップ2011を目指して長旅に
2010年4月29日
ラグビー愛好家のイギリス人カップルがこの週末、2011年ラグビー・ワールドカップの行われるニュージーランドを目指してロンドンを出発し、18ヶ月間かけて18ヶ国を自転車で横断する長い旅路につきます。
全行程2万5000kmの走破に挑戦するのは、トム・ハドソンさんとガールフレンドのジョディー・バートンさん。2011年9月のキックオフまでに、オークランドのイーデン・パーク競技場に到着することを目標にしています。
サイクリング・マラソンの道中には、各地のラグビーの名所に立ち寄りながら、チャリティ活動を行う計画だということです。
始まりはフットスクレイ
体力はそこそこ、と言う28才のトムさんと29才のジョディーさんの旅は、様々な縁で実現の運びとなりました。
オーストラリアへの移住を決意した2人は、人生観の変わるような何かにチャレンジしたいと考えていました。トムさんの両親はニュージーランド南島のダニーデンに移住したばかりでした。
彼らがサイクリングの計画を立てるきっかけとなったのは、大西洋を手漕ぎボートで横断したベン・フォーグル氏とジェームズ・クラックネル氏の著書(The Crossing)を読んだことです。
また、ロンドンのフットスクレイというラグビークラブに10年間所属したトムさんが、オーストラリアのメルボルンにも同じ名前のクラブがあると知ったことも後押しとなりました。
「2009年にその2つのクラブの交流が始まって、選手の行き来を支援しようということになったんです。そこからアイデアが生まれて、ラグビーの発展を探るクラブ同士をサイクリングでつなぐという計画を彼女と一緒に立てました」
「話はさらに大きくなって、本国イギリスのラグビーの聖地(トゥイックナム・スタジアム)と2011年ラグビー・ワールドカップ開催国ニュージーランドのオークランドを結ぶ、ということになったのです」とトムさんはその経緯を語っています。
ラグビー・ワールドカップ2011への旅
2人の出発日は5月1日、トゥイックナムから自転車に乗り、イギリスの田園地帯を抜けてドーバーを目指します。そこからはフェリーでフランスのカレーに渡ります。
フランスをストラスブールまで南下し、進路を東にとります。ドナウ川に沿って東欧を抜け、カスピ海沿岸域からトルコへと進みます。
トルコ、イラン、パキスタン北部、カラコルム・ハイウェイを経て中国へ。東南アジアでは時間に余裕があれば、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイを走りたいとうことです。
バンコクからはいくつかの島を渡ってマレーシアに入り、チモールへと進みます。そこからダーウィンまでは地元のエビ漁の船に乗せてもらわなければなりません。
ダーウィンからオーストラリアの東海岸に沿ってメルボルンまで走ったら、一旦拠点を構え、その後空路でオークランドに移動し、イーデン・パークまでの最終区間を自転車で走行します。
チャリティ活動を兼ねて
トムさんとジョディーさんは、道中にラグビー関連の学校やクラブ、選手やファンのいる場所などをなるべく多く訪れ、ラグビーに関わる世界の逸話をつなぎたいと考えています。
今回の旅は「レイズ・オブ・サンシャイン」というイギリスのチャリティ団体に2万5000ポンドを寄付することを目標に掲げています。同団体は命にかかわる重病と闘っている子どもたちの夢を叶え、楽しい思い出を共有してもらうという支援活動を行っています。
1日の平均走行距離は100kmで、1kmごとに1ポンドを集めれば、目標が達成できる計算になります。
世界を結ぶ
2人はサイクリングによるチャリティ活動に加えて、旅の途中に出会ったラグビー愛好家の人々の署名を巻き紙に集めて「ワールド・イン・ユニオン」としてラグビー・ワールドカップ2011に届けるつもりだということです。
それは、住む国や地域、信仰、文化が違っても、ともに調和した関係を築くことができる、というメッセージを送るためです。
「私たちにとってこの旅は、文化の壁を崩すひとつの手段です。人々や宗教の間にある明確な境界線をなくしてしまえば、共存と相互理解の可能性が見えてくるのではないでしょうか」
「ラグビーを軸にすることで、これまでに信じるよう仕向けられてきたほど、世界が分離されていないことを確かめられたら、と願っています。きっと、ラグビーへの情熱がひとつの共通言語となって、行く先々でラグビーの道が開けてゆくことでしょう」
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