世界でも特に珍しい鳥、キーウィは、アオテアロア・ニュージーランドのシンボルです。

とても敏感なくちばし、丈夫な足、長いひげを持つ飛べない鳥は、林床での生活に完璧に適応しています。様々な特徴は捕食者がいない中で進化してきたもので、キーウィは哺乳類に似たところのある鳥になっています。

1.変わった風貌の鳥

キーウィは鳥類の中でもユニークな存在です。くちばしの先に鼻孔があり、地面の下のミミズや昆虫を嗅ぎ分けています。長いくちばしは虫を掘り出すにもぴったりです。小さな穴状の感覚器で、地中で動く獲物の振動を感知することができます。

猫のようなひげ、毛皮のような羽毛、骨髄でしっかりと満たされた骨といったキーウィの特徴は、哺乳類と似ています。そして、在来の捕食者が少なく、地面にはたくさんの昆虫がいるため、キーウィの翼は飛ぶには小さすぎる状態になりました。

他の夜行性動物とは異なり、キーウィは視力はあまり良くありません。その代わりに、嗅覚、聴覚、触覚が優れていて、暗闇の中でもヒゲを使って歩き回ることができます。

2.巨大な卵

キーウィは典型的な鳥ではなく、哺乳類に近い奇妙な特徴がいくつもあります。

まず、ほとんどの鳥と違って、キーウィは骨髄で満たされた重い骨を持っています。その力強い脚は体重の3分の1を占め、人間と同じ速さで走ることができます。

ほとんどの鳥は視覚を主に駆使しますが、キーウィは嗅覚と触覚も高度に発達しています。クチバシの先に鼻孔があるのは世界の鳥でもキーウィだけです。落ち葉の下や土の中にある餌まで嗅ぎ分けることができます。

キーウィには猫のようなひげがりあり、羽というより毛に近いボサボサした羽毛に覆われています。

キーウィの卵は孵化に約80日を要するので、親鳥は多大なエネルギーを費やします。これは一般的な鳥類の2倍以上に相当し、小型哺乳類の妊娠期間に近いことがわかっています。

キーウィの産卵の回数は一般的なニワトリと同じくらいですが、同等の体格の他の鳥と比べると、卵の大きさは6倍です。

また、卵はオスが90日間温めます。この抱卵期間の長さも特徴です。ちなみにニワトリの卵は21日程度で孵化します。

キーウィの孵化が近づくと、卵が少し揺れ動きます。ヒナには他の鳥にあるような硬い卵歯がないので、足で蹴ったりくちばしで突いたりしながら、3日ほどかけて卵から出てきます。

ヒナはしっかりと羽毛の生え揃った状態で誕生します。くちばしはしっかりとしており、目も開いていて、成鳥をそのまま小さくしたような姿をしています。そしてごく短時間で歩けるようになり、捕食を始めます。

孵化から10日間は大きな卵黄嚢から栄養を得ることができますが、巣穴から出て枯れ葉の積もった場所へ行き、自力で餌を探します。ヒナが親から餌をもらうことはありません。

3.強い絆

キーウィは決まったパートナーと生涯をともにする数少ない鳥の一種です。3日ごとに同じ巣穴で過ごし、互いに声を掛け合うという関係は20年以上続くこともあります。ただし、他に大勢のキーウィがいる環境や繁殖に失敗した場合は「離婚」する場合もあることがわかっています。

4.生き残るために

野生で孵化したキーウィのうち、成鳥まで生き残るのはわずか5%であることはご存知でしょうか。孵化から3週間か4週間は夜中に餌を探しに行きますが、猫やオコジョのような天敵に狙われがちです。犬も深刻な脅威で、成鳥でも殺されたり傷つけられたりしています。残念ながらキーウィの数は減っていて、個体数回復のため、孵化飼育施設や害獣駆除の努力が重ねられていますが、まだまだやるべきことがたくさんあります。環境保全省はキーウィの全種を年に2%増やし、2030年までに10万を達成することを目標としています。貢献する方法を知りたい方は、環境保全省(opens in new window)のウェブサイトを参照してください。

5.キーウィは5種いる

ロトルアのナショナル・キーウィ・ハッチェリーにいるブラウン・キーウィは北島で最も一般的な種です。最も体の小さいリトル・スポッテッド・キーウィ(コマダラキーウィ)はカピティ島のような保護区で見ることができます。グレート・スポッテッド・キーウィ(オオマダラキーウィ)は南島の南西部にいます。ロウィは南島ウエストコースト地方のオカリトの森林にわずか450羽程度しかいない特に希少なキーウィですが、ウエストコースト・ワイルドライフ・センターかガイド付きツアーで見るチャンスがあります。スチュアート島、フィヨルドランド国立公園、ハースト山脈に分布するトコエカは日中にも活動するユニークなキーウィです。見てみたい場合は、ツアーに参加するとよいでしょう。

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