全国のソーヴィニヨン・ブラン種の株の 90% が集中するマールボロは、ニュージーランドの(もしくは世界の)ソーヴィニヨン・ブランの首都です。
香り高くグーズベリーとピーマンを思わせるさわやかな風味のソーヴィニヨン・ブランは、ニュージーランドでも特に輝かしい存在となっています。その成功を支えているのがマールボロです。この辺りでは特有の環境に着目した開拓時代の人々がブドウを植えて以来、140年以上もの間、栽培が続けられています。
ワイラウ・バレーとアワテレ・バレーには数多くのワイナリーが肩を並べています。地元の先住民マオリは、ワイラウ・バレーを「ケイ・プタ・テ・ワイラウ」すなわち「雲にある穴の場所」と名付けました。マールボロ地方で栽培されるブドウが一味違う風味や芳香を醸し出すのは、ブドウの木々が並ぶ丘陵の土壌、気温の下がる夜、日中の日当たりの良さとユニークな環境に恵まれているからです。そのすべてが相まって、比類のない強さをもつ香り高いワインが生まれているのです。マールボロのブドウの作付け面積はおよそ23000ヘクタール(全国の3分の2)、うちおよそ18000ヘクタールがソーヴィニヨン・ブラン種で、残りの土地で様々な品種のブドウを栽培しています。口に含むと芳醇な香りに満たされる赤ワインも好評で、ピノ・ノワールはマールボロの第二の特産ワインとなっています。また、躍動感あふれるフレッシュでフルーティーなシャルドネと鮮明な印象のリースリングも見逃せません。
マールボロを訪れ、見渡す限り整然とブドウの木が並ぶ風景を目の当たりにすると、ワインの名産地に来たという実感がわいてくるはずです。ガイド付きツアーのオプションがたくさんありますので参加してみてください。マールボロは全長380kmのクラシック・ニュージーランド・ワイン・トレイル上に位置しています。このトレイルは4ヶ所の名産地にある100軒以上のセラードアを結んでいます。北島から出発した場合、美しいクック海峡をフェリーで横断してマールボロに向かうことになります。
マールボロの平野部は、グルメ体験をテーマにしたサイクリング・ツアーに最適です。レンウィックという小さな町を拠点にすると、半径24kmの範囲内にある30ものワイナリーにアクセスできます。自転車のレンタルは簡単に手配できます。
ランチタイムは地元のカフェやワイナリー併設のレストランで過ごしましょう。アラン・スコット・ワイン、ブランコット・エステート・ヘリテージ・センター、ハンス・ヘルツォーク、ウィザー・ヒルズなど人気の店で、スモークサーモンやブルーコッド、そしてグリーンマッスル(パーナ貝)といった海の幸を堪能してください。マールボロは優れた食材が手に入るだけでなくアウトドアも存分に楽しめる環境なので、国内外から才能のあるシェフが集まってきます。
地元の特産品や職人手作りのグルメフードを見つけるならファーマーズ・マーケットがぴったりです。また、2月に旅行する予定なら、マールボロ・フード&ワイン・フェスティバルをお見逃しなく。この種のイベントでは開催期間が長いことで知られ、グルメ三昧を楽しめます。